第二新卒とは？定義や新卒との違い

第二新卒の定義や新卒との主な違いについて解説します。

第二新卒とは？

第二新卒とは、「一度就職したあと、早い段階で転職活動をしている若手人材」を指します。一般的には、学校卒業後1〜3年以内に離職・転職を考える人を対象とすることが多いです。具体的な定義に法的な決まりはないものの、多くの企業や人材サービスでは次のように認識されています。

・新卒で入社してから概ね3年以内の人
・20代前半〜半ばの若年層
・社会人経験が浅く、ポテンシャル採用の対象になる人材

第二新卒は、まだ社会人としてのキャリアが浅いため、新卒に近い「育成前提の採用」が可能な人材として注目されています。

第二新卒と新卒の違い

以下で、第二新卒と新卒の違いを表でまとめます。

学歴・タイミング

新卒：大学・専門学校などを卒業後、すぐ就職活動をする人
第二新卒：一度就職したあと、早期に転職を考える人

社会人経験

新卒：なし
第二新卒：1～3年程度

採用の考え方

新卒：潜在能力重視／長期育成前提
第二新卒：基本的なビジネスマナーや実務経験があることを加味したポテンシャル採用

第二新卒の特徴は、「新卒と同様にフレッシュで柔軟性がありながら、社会人としての基礎をすでに身に付けている点」にあります。企業にとっては、即戦力とはいかなくても教育コストが抑えられる、貴重な人材となるケースが多いのです。

企業が第二新卒を募集する理由

近年、「第二新卒」の採用に力を入れている企業が増えています。従来は「中途採用＝即戦力」「新卒＝育成枠」といった二極化された採用戦略が一般的でしたが、今ではその中間に位置する「第二新卒層」が、企業にとって非常に魅力的な人材層として注目されています。ここでは、企業が第二新卒を採用する理由についてご紹介します。

即戦力を採用したい

第二新卒の多くは、社会人として1〜3年程度の実務経験があります。すでに基本的なビジネスマナーや業務フローを身につけているため、新卒に比べて初期教育の手間がかからず、早期に戦力化しやすいというメリットがあります。
また、完全な中途人材と違って、職務経験はまだ浅いため、企業文化への適応や育成の余地もあり、「即戦力とポテンシャルのバランスが取れた人材」として重宝されています。

事業拡大で採用活動を積極化している

新規事業の立ち上げや業務拡大によって人員が不足している企業では、「新卒だけでは人員が足りない」というケースも少なくありません。
このような企業では、新卒の採用シーズンを待たずに早期に活躍できる人材を確保するために、第二新卒採用を積極的に展開しています。柔軟性があり、育成がしやすい第二新卒は、拡大フェーズにおいて非常にフィットする存在といえるでしょう。

4月以外にも年間を通した採用を強化したい

従来、新卒採用は「4月入社」を前提として行われてきましたが、年間を通して安定的に人材を採用・育成したいというニーズが高まっています。第二新卒は、すでに社会に出た経験があるため、入社タイミングに柔軟性があり、通年採用にも対応しやすい人材です。

企業が第二新卒に求めることと注意点

第二新卒は、柔軟さと一定の実務経験を兼ね備えた人材として注目されています。しかし、採用されるには企業が何を期待しているのかを正しく理解し、自分の強みと弱みを冷静に把握することが重要です。

企業が第二新卒に求めること

企業が第二新卒に求める要素としては以下があります。

基本的なマナーやスキル

社会人経験がある以上、最低限のビジネスマナーや職場でのコミュニケーション能力は必須とされています。
基本的なマナーやスキルとしては、「電話やメール対応、報連相」「上司や先輩との円滑なやり取り」「社内ルールや時間管理への理解」などがあります。「一から教える必要がないかどうか」は、企業が第二新卒に期待する大きなポイントです。

仕事や入社への熱意

第二新卒は一度離職を経験しているため、「なぜ再び働きたいのか」「なぜこの会社を選んだのか」といった動機や熱意が重視されます。企業側は「短期間でまた辞めてしまうのでは？」という不安もあるため、「自己分析に基づいた志望理由」「前職の退職理由を前向きに説明できる力」「この会社で行いたいことやキャリアプラン」などを準備するとよいでしょう。

柔軟性や積極性

まだキャリアの初期段階である第二新卒は、今後の伸びしろやポテンシャルを見込まれる立場でもあります。
そのため企業は、「指導や環境に柔軟に対応できるか」「自分から学ぶ姿勢があるか」などの成長意欲や主体性を重視します。「前職でのやり方に固執しすぎない」「変化に前向きである」といった姿勢は、採用側にとって大きな安心材料となるでしょう。

第二新卒の弱点や注意点

企業が第二新卒に対して不安視している点や弱点を理解しておくことで、就職活動を有利に進めることができるでしょう。以下のようなポイントに注意しましょう。

早期退職のリスク

企業が第二新卒を採用する際に最も懸念するのは、「またすぐ辞めてしまうのではないか？」というリスクです。
特に短期間での離職理由に一貫性がない場合、「忍耐力がない」「働くことから逃げている可能性がある」と受け取られてしまうこともあります。「退職理由をネガティブに語りすぎない」「失敗から何を学び次にどう活かしたいかを伝える」といった点を意識しましょう。

新卒入社の同年齢と比較すると会社の理解が浅い

同年代で新卒入社から継続して働いている人と比べると、企業のしくみや業界理解が浅いと見られていることがあります。この差を埋めるために、業界研究や企業研究を入念に行い、面接時には具体的な職務理解や業界への興味を伝えることがポイントです。
また、入社後は、年下や同年代の社員が上司や先輩になることも考えられます。「年下や同年代が上についても問題ないこと」「年齢に関係なく、誰にでも誠実かつ真面目に対応ができること」などを伝えると、安心材料になるでしょう。

第二新卒が就職活動をするときのポイント

第二新卒は、新卒と違って一度社会に出ているからこそ、就職・転職活動では経験の振り返りと次のキャリアの方向性がとても重要になります。ここでは、第二新卒が就職活動をスムーズに進めるためのポイントをご紹介します。

働きながら転職活動を行う

働きながら転職活動を行うことで、経済的な不安を抱えずに活動できるほか、転職先が決まらないまま退職するリスクを避けることができます。また、企業側から「計画的に動ける人材」といったポジティブな印象を持ってもらいやすくなるといったメリットもあります。
ただし、仕事と並行して転職活動を行うためには、スケジュール管理と情報収集がカギになります。平日夜や週末をうまく活用し、無理のないペースで進めるよう心がけましょう。

事前にゴールを設定する

「いつスタートしていつまでに決めるか」といったゴールを設定することも大切です。事前にゴールを設定することで、集中的に取り組むことができ、ダラダラと中途半端になることを避けられます。
また、第二新卒は通年採用の対象となっていますが、人事異動の前後時期などに求人数が増える傾向があります。転職活動のスケジュールやゴールを設定する際には、このような企業の採用傾向を参考にしましょう。求人数が多い時期については以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご確認ください。

関連記事：求人数が多いのはいつ？時期を見極めて転職活動をスムーズに進めよう！

アピールポイントと退職理由を工夫する

第二新卒の場合、「前職を早期に辞めた理由」を必ず聞かれます。ここではネガティブな印象を与えない伝え方を意識しましょう。退職理由の伝え方やポイントとしては以下があります。

・「合わなかった」と言うだけでなく、「その経験から学んだこと」や「次はこうしたい」と前向きに語る
・自分なりに努力した点や成長したことを具体的に伝える

また、アピールポイントとしては、「若さ・柔軟性・成長意欲」などに加え、社会人としての基礎スキルや対応力を強みに変えて伝えると評価されやすくなるでしょう。

派遣会社を活用する

第二新卒の就職活動では、派遣会社（人材紹介会社）を活用することも有効な手段です。特に、初めての転職で何から始めていいか分からない人にとってプロのサポートは心強い味方になります。派遣会社を活用する具体的なメリットを以下でまとめます。

【派遣会社を活用するメリット】
・自分に合った企業や職種を客観的に提案してくれる
・非公開求人や第二新卒歓迎の求人を厳選して紹介してくれる
・履歴書・職務経歴書の添削、面接対策なども受けられる
・働きながらでもスムーズに情報収集・応募ができる

働きながら転職に必要な要素を学べるのが派遣会社を活用する大きなメリットです。「転職活動を検討しているが、経験がない……」と不安を感じている方は、派遣会社を有効活用するのがおすすめです。

まとめ

第二新卒とは、一度就職した後、比較的早い段階で転職活動を始める若手人材のことを指し、社会人としての基礎がありながら柔軟性も兼ね備えている点で、積極的に採用する企業が増えています。第二新卒での転職活動を検討している方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。また、はじめての転職に不安がある場合は、派遣会社を活用してプロのサポートを受けるのも効果的です。