派遣社員の履歴書はどう書く？基本の考え方

派遣社員の履歴書を書く際の基本的な考え方についてご紹介します。

派遣社員の履歴書が難しい理由

正社員や契約社員とは異なり、派遣社員は「派遣元の会社と雇用契約を結び、派遣先で働く」という構造になっています。そのため、どの会社名を記載するべきか、役職や職務内容をどう伝えるべきかを悩みやすいという特徴があります。
例えば「株式会社○○（派遣元）から△△株式会社（派遣先）に派遣されていた」といったケースでは、派遣元だけ書くと業務内容が不明瞭になり、派遣先だけ書くと事実と異なる印象を与えるリスクがあります。
そのため、派遣元・派遣先を区別し、「どの会社で、どのような業務を、どれくらいの期間経験したか」が伝わるように工夫する必要があります。

派遣社員が履歴書を出す主なケース

派遣社員はどのようなときに履歴書の提出を求められるのでしょうか？ここでは、主なケースを3つに分けてご紹介します。

次の派遣先に応募する際に提出を求められる

派遣会社を通じて新たな派遣先企業に紹介される場合、職歴やスキルの確認のために履歴書を提出することがあります。

直接雇用（正社員・契約社員）に応募する際

派遣先での就業経験を活かして、直接雇用を目指す場合、これまでの派遣勤務歴を正しく記載することで、業務経験をアピールできます。

職業紹介会社を通じた登録時や面談時にも提出が求められることがある

転職エージェントや人材紹介会社では、登録時に履歴書を提出することで、スキルや希望条件に合った求人を紹介してもらいやすくなります。

派遣社員の履歴書の書き方

では、派遣社員が履歴書を書く際のポイントについてご紹介します。

基本ルール：雇用主は「派遣元」を記載する

派遣社員は、派遣先で働いていても雇用契約上の雇用主は「派遣元」です。そのため、「○○株式会社（派遣元） 入社」と記載する形が基本となります。その後に、補足として派遣先の情報を記載します。

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【例】

　○年○月　株式会社○○（派遣元） 入社
　○年○月〜○年○月　△△株式会社に派遣　営業事務に従事
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派遣先を正社員として誤認されるのを防ぐためにも、「○○株式会社に派遣」などと記載しましょう。

派遣先企業・業務内容の書き方

業務内容は、派遣先で行っていた具体的な業務内容を記載します。派遣先が複数ある場合は、以下のように時系列に分けて記載してみましょう。

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【例】

　○年○月〜○年○月　株式会社△△（派遣先）にて一般事務に従事
○年○月〜○年○月　株式会社□□（派遣先）にてカスタマーサポートに従事
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また、入社・退社などの表現も誤解を生みやすい箇所です。「入社＝登録」「退社＝派遣期間満了につき退職」など、表現を工夫して記載してください。

就業期間が短い場合の記載方法

就業期間が短い場合、記載方法に悩むかもしれません。同じ派遣元から短期間で複数の会社に派遣されたケースでは、「同一派遣元」としてもまとめて記載しても問題ありません。以下のように、派遣元と派遣先を区別しましょう。

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例：【○○株式会社（派遣元） 登録（○年○月〜現在）】

・△△株式会社：一般事務（○年○月〜○年○月）
・□□株式会社：営業アシスタント（○年○月〜○年○月）
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なお、数週間や1か月など、あまりに短期間の場合は「〇〇、◎◎、△△、他複数あり」のように簡単に記載すると担当者が経験を読み取りやすいでしょう。あまりに多い場合は、「◎◎などの倉庫業務に多数従事」など、代表的なものを記載すると、実務経験のイメージが伝わりやすくおすすめです。

ケース別！派遣社員の履歴書の例文

派遣社員が職歴を記載する際の例文をご紹介します。ご自身のパターンと照らし合わせて、参考にしてみてください。

ケース1：派遣元・派遣先はひとつ、その中で複数の業務を経験した場合

派遣元・派遣先は同じだが、業務内容が変わった場合の書き方です。

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【記載例】

令和3年4月　株式会社ABC（派遣元）　入社
　　　株式会社XYZ（派遣先）に派遣され、一般事務業務に従事
令和4年4月　同社内にて部署異動、営業アシスタント業務を担当
令和5年3月　派遣契約満了により退職
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ケース2：ひとつの派遣元、複数の派遣先で勤務した場合

同じ派遣会社に登録し、複数の企業に順次派遣されたパターンです。

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【記載例】

平成31年3月　株式会社ABC（派遣元）　入社
　株式会社XYZ（派遣先）に派遣され、一般事務に従事（平成31年3月〜令和2年3月）
　株式会社DEF（派遣先）に派遣され、経理補助業務に従事（令和2年4月〜令和4年6月）
　株式会社GHI（派遣先）に派遣され、営業事務に従事（令和4年7月〜令和5年12月）
令和5年12月　派遣契約満了により退職
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ケース3：複数の派遣元から、それぞれ異なる派遣先で勤務した場合

複数の派遣元に登録した経験があるパターンは以下のように記載します。派遣元が変わったことがわかりやすいように、しっかり区別することが大切です。

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【記載例】

派遣元①
平成30年4月　株式会社ABC（派遣元）　入社
　　　　　　株式会社XYZ（派遣先）に派遣され、一般事務業務に従事
令和1年3月　契約期間満了により退職

派遣元②
令和1年5月　株式会社DEF（派遣元）　入社
　　　　　　株式会社GHI（派遣先）に派遣され、経理補助業務に従事
令和4年4月　派遣期間満了により退職

派遣元③
令和4年8月　株式会社JKL（派遣元）　入社
　　　　　株式会社MNO（派遣先）に派遣され、カスタマーサポート業務に従事
令和6年3月　契約満了により退職
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履歴書作成時の注意点

最後に履歴書を作成する際の注意点についてご紹介します。

職歴詐称にならないようにする

「○○株式会社 入社」とだけ書いてしまうと、派遣社員である事実が相手に伝わらない可能性があります。
入社や退社という単語を単独に使わないようにして、「○○株式会社（派遣元）入社」「○○株式会社に登録」など、会社との雇用関係を明確に記載しましょう。

空白期間がある場合の対処法

職歴に空白期間がある場合は、スキルアップやトレーニングなどのために時間を使ったことを記載するとネガティブな印象を持たれにくくできます。
職歴に空白ができる際は、以下のように記載してみてください。

・スキルアップのために資格取得の勉強に専念
・次のキャリアを見据えて研修・自己学習を行っていた
・家庭の事情で一時的に離職　など

簿記・MOS・TOEICなどの資格勉強、ボランティア活動、オンライン講座の受講など、自身の経験に合わせて記載しましょう。

志望動機・自己PRの書き方

履歴書の志望動機や自己PRの書き方に悩むこともあるでしょう。
まずは、派遣先企業（または直接雇用先）の事業内容や社風に共感した理由、自分の経験がどう活かせるかを明確に記載します。
この際、「複数の企業で柔軟に業務対応してきた実績」「新しい職場環境への適応力」「Excelや電話応対、接客など、具体的なスキル」など、派遣経験を通じて得た具体例を交えて記載することが大切です。このような具体を記載して自身の経験やスキルを記載することで、「即戦力として貢献できること」をアピールできます。

職務経歴書を想定して履歴書はできるだけ丁寧に記載する

今回ご紹介したようなポイントに注意して履歴書を記載することで、その内容をエントリーシートや職務経歴書に転用することができます。
派遣社員は、「これまでにどんな業務を経験し、どのようなスキルを得たのか？」がより重要視される傾向があり、場合によっては履歴書よりも職務経歴書やエントリーシートの内容が重視されます。

履歴書単体だけでなく、その先にある職務経歴書やエントリーシートを想定して、漏れなくできるだけ具体的に履歴書を作成してみてください。

まとめ

派遣社員は、「派遣元・派遣先」という構造により、その他の雇用形態よりも、職歴の内容が複雑になってしまいます。
そのため、読み手が誤解をしないような構成や表現を使うことが大切です。
派遣社員としての経験を履歴書にどのように記載するかお悩みの方は、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。