アパレル販売員が資格を取得するメリットは?【伸ばしたいスキル別】おすすめの資格を解説!

アパレル販売員のスキルアップとして、資格を取得するという方法があります。今回は、資格を取得するメリットなどの他、伸ばしたいスキル別のおすすめの資格について詳しくご紹介します。
アパレル販売員が資格を取得するメリットとは?
自身のスキルを客観的に証明できる
資格を取得することで、自身のスキルを客観的に証明することができます。「コーディネートの知識や経験が豊富」「コミュニケーションスキルが高く販売力がある」といったアピールに説得力を持たすことができ、未経験の方はもちろん、転職などのキャリアアップにも役立ちます。
モチベーションの高さをアピールできる
資格取得はモチベーションの高さをアピールするのにも役立ちます。面接などのシーンで「やる気がある」ということを伝えても、裏付けがなければなかなか良いアピールにはつながりません。資格を取得したということは、それだけの時間とお金をかけたことの証明であり、やる気やモチベーションの高さに説得力を持たせることができます。
お客様に喜ばれる・ファッションの知識が深まり仕事が楽しくなる
資格を取得することで、ファッションの知識・コーディネート力・販売力などを高めることができます。販売の現場で役立つこのようなスキルを身につけることで、お客様に喜んでもらえる、よりよい提案ができるようになります。お客様に喜んでもらえた・褒めてもらえたなど、ポジティブなシーンが増えることで、アパレル販売の仕事がどんどん楽しくなっていきます。
アパレル販売員におすすめの資格①【販売・接客スキル】
接客販売技能士
接客販売技能士は、(一社)日本百貨店協会が主催する国家検定資格で、2017年に厚生労働省の技能検定職種に認定されています。ファッション及びギフトの販売技能の習得レベルを国家検定として証明できる資格です。レディスファッション販売・メンズファッション販売・ギフト販売の3つのカテゴリがあり、それぞれ1級2級3級の等級があります。資格を取得することで、以下のようなスキルを身につけることができます。
/3級/
接客・マナー・レイアウト・商品・技術・初期クレーム対応などの基礎知識
/2級/
売場作り・商品管理知識・クレーム対応・基本アイテムお直し・採寸コンサルティングセールスなどの知識
/1級/
商品知識(専門用語、トレンド等)・技術(手入れ等)難しいセールス事例への対応などの知識
接客販売技能士は国家検定試験であるため、信頼性が高く取得するメリットは大きいといえるでしょう。販売員としてのスキルアップはもちろん、店舗リーダー・店長・マネジャーを目指す方にもおすすめです。
参考:接客販売技能検定
販売士(リテールマーケティング)検定
販売士は、商工会議所が主催する検定資格で、合格者には販売のプロとして「販売士」という肩書を得ることができます。アパレル業界で知名度が高く、一定の販売力があることの証明になるといえるでしょう。
3級~1級まで、小売業の類型・マーチャンダイジング・ストアオペレーション・マーケティング・販売・経営管理などに関する筆記試験が行われます。等級が上がるにつれて、出題の難易度が高くなり、3級では販売員、2級では売り場の管理者、1級では店長・経営者に必要な知識が求められます。
アパレル業界における知名度が高く、取得することで就職・転職・キャリアアップなどのアピールにつながります。3級は販売員の未経験者はスキルアップを目指す方、2級は店舗リーダー、1級は店長・マネジャーを目指す方におすすめです。
ファッション販売能力検定
ファッション販売能力検定は、日本ファッション教育振興協会が運営する民間資格です。ファッション・販売・接客・マーケティングなど、アパレル販売員や管理者に求められる知識を身につけることができ、現場での販売に活かすことができます。等級は3級~1級までの3つがあり、それぞれを取得することで以下のようなスキルの証明になります。
/3級/
基本的なファッション知識・販売知識・接客技術がある
/2級/
専門的な販売知識や接客技術を習得しており、臨機応変な接客・事務処理ができる
/1級/
専門的な販売・接客技術の他、ショップマネジメントや人事管理ができる
販売スタッフであれば、3級や2級、店長や管理者の場合は1級の取得がおすすめです。出題内容には最近のトレンドなども含まれるため、ファッションアドバイザーなどにも向いています。民間資格ではありますが、アパレル業界で一定の認知度があり、取得することで自身のスキルに説得力を持たすことができます。
参考:一般社団法人日本ファッション教育振興協会「ファッション販売能力検定」
アパレル販売員におすすめの資格②【美的センスや服の知識】
ファッション色彩検定
ファッション色彩検定は、一般社団法人ファッション教育振興協会が主催する民間資格です。資格を取得することで以下のようなファッションのコーディネートに必要な色彩に関する知識を身につけられます。
/3級/
アパレル・インテリア・美容などの業種で、ある程度自己判断で色彩に関する業務ができる
/2級/
アパレル・インテリア・美容などの業種で、色彩に関わる業務で目的に沿った計画を立案し実行することができる
/1級/
色彩に関する専門家として、知識や理論を基に適切なアドバイスができる
アパレルだけでなく、インテリアや美容などの業種にも人気があります。アパレルの接客シーンでは、色合わせに悩むお客様に適切なアドバイスができるようになるでしょう。また、1級を取得すれば、店舗の色彩設計や商品陳列に活かすこともできます。
参考:ファッション色彩能力検定試験|日本ファッション教育振興協会
カラーコーディネーター検定試験®
カラーコーディネーターは、東京商工会議所が主催・運営する民間試験です。色の持つ特性・効果を学ぶことができ、アパレル業界でも知名度・信頼度が高い資格です。等級には、スタンダードクラスとアドバンスクラスがあり、取得することで以下のようなスキルが身につきます。
/スタンダードクラス/
色彩に関する基礎的な知識を理解して応用できる
/アドバンスクラス/
色彩に関する基礎・ビジネスシーンでの活用事例などの知識を基に、ビジネスで応用できる
お客様の商品選びやコーディネートのアドバイスの他、店舗の色彩設計や商品陳列などで、自身のスキルを活かすことができるでしょう。インテリア・美容の他、建設などの業界でも求められる資格のため、別業種への転職にも役立てられます。
参考:東京商工会議所検定サイト | カラーコーディネーター検定試験®
カラーコーディネーター検定試験®は東京商工会議所の登録商標です
繊維製品品質管理士(TES)
繊維製品品質管理士は、日本衣料管理協会が主催・運営する民間資格です。お客様に購入いただく洋服などの繊維製品の品質や性能の向上を図り、製造から販売までを適切な方向に導く「繊維のスペシャリスト」として活躍できます。
試験内容は基礎知識を問う3科目(下記1~3部分)と、応用力を見るための記述2科目(下記4・5部分)の合計5科目があります。5科目全て合格すると資格が取得できます。
/1/
繊維に関する一般知識
/2/
家庭用繊維製品の製造と品質に関する知識
/3/
家庭用繊維製品の流通、消費と消費者問題に関する知識
/4/
事例
/5/
論文
アパレル販売の接客シーンでは、素材の特性や洗濯の方法、品質を維持するための管理方法、繊維製品の表示に関する法令、商品に不具合があった場合の原因解析と適切な説明など、お客様に正しい情報をお伝えするスキルを身につけることができます。
商品の企画開発・品質管理などに興味がある方や繊維業界への転職を検討している方にもおすすめの資格です。
この他にも、パーソナルカラーや骨格診断など、お客様への商品紹介やコーディネートに説得力を持たせる民間資格が多々あります。自身の興味に合わせて、このような資格取得を目指してみるのもよいでしょう。
アパレル販売員におすすめの資格③【店舗運営やマネジメント】
ファッションビジネス能力検定
ファッションビジネス能力検定は、⽇本ファッション教育振興協会が主催・運営する民間資格です。流通・管理・経営・企画・マーケティングの他、業界の歴史や生産地に関する知識など、ファッションビジネスに関する知識を幅広く身につけることができます。等級には3~1級までの3つがあり、それぞれのレベルは以下のようになっています。
/3級/
ファッションの専門基礎教育を1年程度学び、企画・生産から流通まで、業務を遂行する際に必要なファッションビジネスの基礎知識と技術を習得している。
/2級/
ファッションの専門基礎教育を2年程度学び、企画・生産から流通まで、業務を遂行する際に必要なファッションビジネスの基礎知識と技術を習得している。
/1級/
教育機関などでファッションビジネスに関する専門教育を2年以上履修。卒業後アパレル・リテール企業で実務経験を5~6年経験している。ファッションビジネスの「マーケティング戦略・マーチャンダイジング戦略・流通コミュニケーション戦略・マネジメント知識・ファッションビジネス・商品知識」などを幅広く習得している。
ファッションビジネス能力検定は、アパレル販売員はもちろん、店舗マネジメントや商品企画など、将来的に上流工程の仕事に携わりたいという方におすすめの資格です。
参考:ファッションビジネス能力検定|⽇本ファッション教育振興協会
ビジネス実務マナー検定
ビジネス実務マナー検定は、文部科学省が後援する資格試験のひとつです。ビジネスにおける基本的な知識やマナーを身につけることができます。「企業実務・対人関係・電話実務・技能」の5つの領域から出題され、ビジネスの基本ルールを身につけられます。等級は3~1級までの3つがあります。
/3級/
対人・電話などのビジネスの基礎知識があり、平易な業務を問題なくこなせる
/2級/
ビジネスの実務を理解し、一般業務に必要な知識と技能を備えている
/1級/
ビジネスの実務に深い理解があり、高度な知識と技能を発揮して実務を遂行できる
アパレル販売員として必要不可欠な対面・電話接客から、汎用性の高い実務を基礎から学ぶことができます。自身のビジネススキルに自信がない方や接客がはじめてといった方は、資格を取得することで自信を持って現場に出ることができるでしょう。
未経験者や販売からバックオフィスを目指す人に必要なものは?
未経験者は派遣社員として働く選択もおすすめ
アパレル未経験者の中には、「資格取得だけで本当に販売員になれるのか不安……」という方もいるかもしれません。そんな方におすすめなのが、正社員よりもハードルが低く、さまざまな知識や経験が得られる派遣社員です。大小さまざまなアパレルブランドやショップが派遣社員を採用しているので、このような求人を探してみるのもよいでしょう。
また、派遣社員は正社員に比べると勤務時間や任せられる仕事の範囲が限定的です。そのため、プライベートとの両立を検討している方にもおすすめです。
販売からバックオフィスへのステップアップを検討している方
「企画・バイヤー・プレス・人事・EC」など、アパレル販売員からバックオフィスの職種を目指す方は、「社内公募でステップアップの機会がある」「販売員から本社勤務になったスタッフの実績がある」といったポイントに注意して求人を探すようにしましょう。
また、プレスを目指すなら「インスタグラムでアパレルに関する情報発信をしてフォロワーを増やす」「コーディネートなどを紹介するブログを立ち上げてアクセスを増やす」などのアクションがアピールにつながる可能性があります。自身のキャリアプランに合わせて、資格取得以外にも自身のスキルを高める方法を考えてみましょう。
まとめ
資格取得は、アパレル販売員としてのスキルアップにつながります。多種多様な資格があるので「販売・接客スキル」「美的センスやファッションの知識」「店舗運営やマネジメント」など、自身のキャリアプランに合わせて、取得する資格を選んでみてください。