アパレルの職種とは?4つの分類と代表的な12職種を解説!

アパレル業界の職種は幅広く、さまざまな種類があります。企業やブランドによって職種の分け方が違うため完全な分類はできないのですが、仮に分けるとしたら今回ご紹介する12の職種に大別できます。今回は、アパレル職種の分類と12の職種の業務内容についてご紹介します。
アパレルの職種は4つに分類できる!
まずはアパレルの職種の分類についてご紹介します。アパレルの職種は、大きく分けると以下の4つに分類できます。
【アパレルの職種の分類】
1. ファッションを「つくる」職種
2. ファッションを「広める」職種
3. ファッションを「売る」職種
4. その他の職種
さまざまな分け方はあるものの、つくる・広める・売るという3つの役割の他、それらをサポートするのに欠かせない「その他」を加えた4つに分類するのがわかりやすいでしょう。以下の項目で、それぞれの分類の代表的な職種についてご紹介します。
アパレル業界の代表的な12職種を解説!
それでは、4つの分類別に代表的な12の職種をご紹介します。
ファッションを「つくる」
1. デザイナー
デザイナーは、トレンドやテーマに基づいてアパレル商品をデザインするクリエイティブな職種です。見た目の華やかさや美しさだけでなく、着心地の良さなどの機能面も含めて商品をデザインします。企業によっては、生地や柄のデザインを担当するテキスタイルデザイナーと呼ばれる職種が所属していることもあります。
デザイナーになるためには、ファッション・アートのセンスの他、基本的なデザインスキルが必要になります。服飾専門学校やデザイン学校で基礎を積み、ある程度の期間アシスタントとして経験を積んでからデザイナーになる人が多いといえます。
2. パタンナー
パタンナーとは、ファッションデザイナーが作成したデザインをもとに、パターン(型紙)におこす専門職です。平面のデザインを立体へと変えるための作業全般を担っており、ファッションをつくるのに欠かせない仕事といえるでしょう。
パタンナーには、縫製の技術や知識の他、デザイナーのイメージを具体化するためのファッションセンスなどが必要です。パタンナーになるための資格などは特にありませんが、服飾・被服系の専門学校や大学、短大などでパターンを作るための基礎知識を固めておく必要があります。
3. 生産管理(プロダクトマネージャー)
生産管理は、デザイナーとパタンナーが作成した商品のひな型を商品として生産するために欠かせない職種です。素材の仕入れや工場との調整、品質の管理などが主な業務で、商品の生産工程全体を指揮する重要な役割といえるでしょう。企業によってはプロダクトマネージャーと呼ばれることもあります。
生産管理には、商品の生産工程全体に対する知識・経験が求められる他、素材を仕入れる外注先や商品を生産する工場との調整といったマネジメントスキルが求められます。また、一人ではなく複数人のスタッフを束ねて実務にあたることが多いため、コミュニケーション力なども重要な職種といえるでしょう。
4. MD(マーチャンダイザー)
マーチャンダイザーは、商品の企画や販売戦略を考える職種です。マーケットの調査や既存商品の分析を通して新商品の企画を立ち上げ、販売戦略まで策定するのが主な業務。商品の売れ行きに大きく関わる責任の大きな職種です。
商品企画を考案するマーチャンダイザーには、マーケットの理解・トレンドへの感性の他、分析力が求められる職種です。責任ややりがいが大きな仕事ですが、マーチャンダイザーになるための資格などは特にありません。そのため、アシスタントとして経験を積みながらマーチャンダイザーを目指すことができます。
ファッションを「広める」
5. プレス(PR・広報)
プレスとは、PR・広報としてブランドや商品のイメージアップや認知拡大を担当する職種です。PR戦略を考えて実行するのが主な業務で、企業の広告塔として、TV・雑誌・Webなどのメディアに登場してブランドや商品の魅力を紹介することもあります。
プレスは、広報やPRに対する知識や経験の他、各種メディアとのコネクションを確立するなどのコミュニケーション力が求められます。また、商品やブランドを魅力的に発信するためのモデルのキャスティングの他、プレスリリース・キャンペーンを企画するスキルも重要です。他社でPRや広報業務を行ってからアパレル企業に中途入社する方法と、アシスタントとして経験を積みながらプレスを目指す方法があります。
6. 営業
アパレル企業の営業は、自社の小売店の売上アップを支援するリテール営業とセレクトショップや百貨店に自社商品を提案するホールセール営業の2種類があります。
自社製品に対する知識やブランドの理解の他、提案力やコミュニケーション力が求められる職種です。リテール営業は、自社店舗での実務経験が必要なため、販売員や店長を経験してからステップアップすることがほとんど。ホールセール営業は、他社で営業経験があると重宝されますが、新卒を採用している企業も多々あります。
7. EC担当
EC担当は、アパレル企業のECサイトを担当する職種です。ECサイトのユーザビリティを向上させるための施策を行ったり、オンライン販売の戦略を策定したり、デジタル広告やSNSアカウントの運用を行ったり、ECサイトに関わるさまざまな業務を担当します。
EC担当には、WebやITに関わる基礎知識の他、デジタルマーケティングに対する知識やデータの分析力などが必要になります。ECの運営やデジタルマーケティングの経験があれば、アパレル未経験でも比較的転職しやすい職種といえます。
ファッションを「売る」
8. 販売員
販売員は、アパレル企業が運営する小売店や百貨店の店舗の他、セレクトショップなどで商品を販売する職種です。主な業務は、店舗に訪れたお客様への商品やコーディネートの提案。その他、商品の陳列や在庫のコントロール、顧客情報の管理なども担当します。
販売員には、自社商品に対する理解はもちろん、コミュニケーション力やコーディネート力の他、ファッションセンスなども求められます。アルバイトの求人募集も多いため、未経験からでも挑戦しやすい職種といえます。
9.店長
店長は、店舗の運営全般を担当するアパレル店舗の責任者です。販売スタッフのマネジメントの他、商品の在庫管理や顧客管理、本社との運営に関するやりとりなど、店舗運営に関わるあらゆる業務を担当します。また、販売スタッフの一人として店頭での接客も行います。
アパレル店舗の店長には、販売員としての実務経験の他、販売スタッフの指揮を高めるリーダーシップや商品・売上・顧客などを適切に管理するマネジメント力など、幅広いスキルが求められます。販売員を経験してから店長にステップアップすることが多いですが、別業界で店舗運営などの経験があれば目指しやすい職種といえるでしょう。
10. スーパーバイザー(SV)
スーパーバイザーは、エリアマネージャーとも呼ばれる職種です。特定のエリアにある複数店舗を担当し、店長をサポートしながら担当店舗全体の売上目標達成を目指します。複数店舗の売上管理やキャンペーンの提案の他、店長やスタッフのマネジメントなど幅広い業務を行います。
スーパーバイザーには、店舗運営の基本的な知識や理解の他、売上アップのための戦略立案やスタッフのマネジメントスキルなどが求められます。別業界での経験があれば中途採用の可能性がありますが、基本的には店長を経験してからスーパーバイザーにステップアップすることが多いです。
その他の職種
11. バックオフィス(事務職全般)
バックオフィスは、アパレル企業の事務スタッフを指すことが多いです。企業の組織運営に必要な、多種多様な事務作業を担当します。
バックオフィスのスタッフには、パソコンの基本的な操作やオフィス系のソフトウェアの使用スキルの他、スケジュール管理などの事務処理能力が求められます。アパレル業界未経験でも、事務員の経験があればチャレンジしやすい職種といえます。
12. カスタマーサービス(お問い合わせ窓口など)
カスタマーサービスのスタッフは、返品交換やクレームなど、お客様からのさまざまな問い合わせに対応する職種です。電話・メール・SNSから集まる問い合わせに対して、お客様の希望に合わせて適切に対応をすることが求められます。
カスタマーサービスのスタッフには、商品やブランドの知識や理解の他、電話・メール・SNSなどでのコミュニケーション力も求められます。アパレル業界の経験がなくても、コールセンターなどでの勤務経験があれば、チャレンジしやすい職種といえるでしょう。
アパレル業界で働く方法は?
アルバイト・パートとして働く
アルバイトやパートは、未経験やプライベートとの両立を視野に入れている人に向いた働き方です。正社員に比べると仕事の幅や量が少なく、無理なく経験を積むことができます。販売員はアルバイトの求人が多く、企業によってはそこからのキャリアアップを目指すこともできます。
正社員として働く
デザイナー・生産管理・スーパーバイザー・店長など、専門職や責任の大きな職種にチャレンジしたいという方には正社員の求人がおすすめです。学生の場合は新卒、社会人の場合な中途から正社員の職種を目指すことができます。
派遣社員として働く
アパレル企業は、販売員・バックオフィス・カスタマーサービスをはじめ、さまざまな職種を派遣社員として採用しています。未経験の方やプライベートと両立したい方でも働きやすい方法なので、アパレル業界に興味がある方は、どのような職種の求人があるか一度探してみるとよいでしょう。また、派遣社員から正社員へのキャリアアップが目指せるケースも多々あります。
まとめ
アパレルの職種は企業によって異なるため、完全に分類することはできません。ただ、大きく分けると今回ご紹介したような職種にまとめることができます。アパレル業界に興味がある方は、これらの12の職種を参考にしながら、自分に合った働き方を探してみてください。