パートと正社員の違いって?制度・働き方の違いとメリット・デメリットを解説!

「パートと正社員って具体的にどう違うの?」と疑問を感じている方もいるでしょう。今回は、パートと正社員の違いについて解説します。また、制度や働き方の違いの他、それぞれのメリット・デメリットについてもご紹介します。
パートと正社員の違いは?項目別に解説!
まずは、パートと正社員の違いを項目別にご紹介します。
契約期間
パートは、契約期間のある有期契約となっていることが多いです。契約期間は3か月・半年・1年など、職場によって異なります。対して正社員は契約期間がなく、無期雇用を前提としています。
給与・年収
パートの給与は時給制で、働いた時間分の給与を受け取ることができます。月の業務時間によって給与が変動するのが特徴です。正社員は月収や年俸制で、会社と取り決めた給与が毎月振り込まれる仕組みになっています。
賞与の有無
賞与の受給を行っているのは正社員が多く、パートではあまりみられません。しかし、正社員でも賞与の受給を行っていない会社もあります。
労働時間
労働時間はフルタイムの正社員よりもパートの方が短くなっています。フルタイムの規定は企業によって異なりますが、労働基準法では「原則1日に8時間、1週間に40時間」と定められています。
業務内容
一般的にパートは正社員の指示に合わせて働くことが多く、業務の補佐やサポート的な業務を担います。対して正社員は会社の利益に貢献することを求められるため、パートよりも仕事の幅や責任の範囲が大きくなります。
社会保険・福利厚生
同一労働同一賃金の観点から、交通費の支給・有給・産休・育休・各種社会保険などは雇用形態に関係なく受けることができます。ただし、企業が独自に設ける住宅手当・家族手当などの福利厚生は正社員向けのことが多く、パートは対象外になっていることもあります。
キャリアアップとスキルアップ
「パートよりも正社員の方がキャリアアップ・スキルアップに有利なのでは?」という印象があるかもしれませんが、立場が異なるだけで、雇用形態に関わらずキャリアアップ・スキルアップが可能です。ただ、パートは正社員の補佐やサポート的な業務を担うため、基幹業務に携わるためには、少し時間がかかる傾向があります。
パートと正社員どちらが良いの?メリットとデメリットを解説!
では、パートと正社員どちらの雇用形態で働くのが良いのか?それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
パートで働くメリットとは?
柔軟性のある働き方ができる
パートは、自分の都合に合わせて、働く時間や日数を決めやすい働き方です。正社員よりも柔軟性のある働き方ができ、家庭や学業とのバランスを取ることができます。
求人数・短期・単発などの求人の種類が多い
正社員に比べて、パートは求人数が多い傾向があります。また、短期・単発などの求人も多く、自分の都合に合わせて職場を選ぶことができます。
仕事の掛け持ちも可能
パートは、ダブルワークが認められていることがほとんどです。シフトがやや複雑になりますが、曜日や時間を上手く調整すれば、仕事を掛け持ちして収入アップにつなげられます。
長期休暇を取りやすい
自分の都合に合わせて働く時間や日数を選べるので、正社員に比べると長期休暇を取りやすいといえます。ただ、担当業務によっては長期休暇が取りづらいこともあるので、「パート=長期休暇が取れる」と考えないように注意しましょう。
勤務先を変えることができる
正社員に比べると業務の範囲が限定されており、責任もそれほど大きくないため、自分の都合に合わせて勤務先を変えやすいといえます。
パートで働くデメリットは?
収入が安定しにくい
時給制のため、毎月のシフトの入り方によって収入が変動します。企業の業績によってシフトを削られてしまう可能性もあるため、正社員に比べると収入が安定しにくいといえます。
長期雇用されないこともある
パートの雇用期間は企業によって異なり、3カ月・半年・1年などまちまちです。企業の業績が安定している場合は毎回契約更新ができますが、業績が下がると契約更新を断られる可能性があります。
勤務日数・勤務時間によっては社会保険・福利厚生がないこともある
社会保険や産休・育休などの福利厚生は、雇用形態に関わらずに取得できますが、一定の勤務日数・時間を満たしていることが条件になります。勤務日数・勤務時間によっては、社会保険に入れない、または福利厚生を受けられない可能性があります。
正社員に比べるとキャリアアップがしにくい
パートの業務は正社員の補佐やサポートが多い傾向があります。キャリアアップや責任の大きな仕事を任されたい場合は、希望する給与や業務内容が得られる雇用形態を選ぶことをおすすめします。パートからのキャリアアップを希望する場合は、制度が充実した求人を探してみるとよいでしょう。
正社員で働くメリットは?
長期的に働ける
正社員は契約期間のない無期契約を前提としています。そのため、パートに比べると長期雇用がされやすい傾向があります。
収入が安定しやすい
正社員は、働いた時間や日数に関わらず、毎月決まった給与を受け取ることができます。休日が多い月でも同じ金額を受け取れるため、収入が安定しやすいといえます。
給与アップの機会が多い
正社員の場合、年に1~2回の昇給・昇格の機会が設けられていることが多いです。自分のスキルを高めたり業績に貢献したりする必要がありますが、給与アップの機会は多いといえるでしょう。
社会保険・福利厚生が豊富
フルタイムの正社員であれば、年金・健康保険などの社会保険に加入でき、育休・産休の他、企業が設けている福利厚生を受けることができます。
正社員で働くデメリットは?
仕事の範囲が広く労働時間が長くなる可能性がある
パートに比べると任せられる仕事の範囲が広く、責任も大きくなります。必然的に業務量が多くなるので、労働時間が長くなる傾向があります。
異動・転勤の可能性がある
正社員として働く場合、人事異動や転勤の可能性があります。会社の都合で異動・転勤が発生するのは、正社員で働くデメリットといえます。
副業・仕事の掛け持ちがしにくい場合がある
会社によっては、正社員の副業や仕事の掛け持ちを禁止しています。副業を検討している方は、会社の規定などを確認してみましょう。
長期休暇を取りにくい
一般的に正社員が長期休暇を取れるのは、夏季休暇と年末休暇の2回です。自分の都合に合わせてシフトを決められるパートに比べると、長期休暇を取りにくいといえるでしょう。
正社員とパートの違いが埋まっている?
2021年4月に「パートタイム・有期雇用労働法」が施工されました。この法律は、正規労働者と非正規労働者間の待遇差をなくし、同じ企業で働くすべての労働者が納得して働き続けられる「同一労働同一賃金」の実現を目的として定められました。この法改正には「正社員とパートの不合理な待遇を解消する」「労働者の待遇に関する説明の義務化」「不合理な待遇差によるトラブルの解決を行政が援助する」といった内容が含まれています。雇用形態は異なるものの「パートの正社員の待遇差は少しずつ埋まってきている」といえるでしょう。
まとめ
パートと正社員は異なる雇用形態で、それぞれのメリット・デメリットがあります。どちらの働き方が適切なのかは人によって異なるため、「パートとして働くか正社員として働くか悩んでいる」という方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。なお、アルバイトと派遣などの雇用形態について知りたいという方はぜひ以下の記事もご確認ください。