【2026~2027年版】派遣社員の年末調整や確定申告について|手続きなどを徹底解説
派遣社員として働いていて、「年末調整は派遣会社がしてくれるの?」「自分で確定申告する必要があるの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
年末調整は通常、雇用主である派遣元が行いますが、複数の仕事をしている場合や特別な収入がある場合には、自分で確定申告を行う必要があることもあります。
この記事では、派遣社員の年末調整を誰が行うのか、確定申告が必要になる主なケース、準備する書類をわかりやすく解説します。
近年の税制変更も踏まえ、現在の手続きで確認したいポイントを整理するので、年末の準備にぜひ参考にしてください。
そもそも年末調整とは?派遣社員との関係をわかりやすく解説
年末調整と確定申告は、どちらも所得税を正しく精算するための手続きです。ただし、手続きを行う人や対象となる収入は異なります。まずは派遣社員に関係する基本ルールから確認しましょう。
年末調整の基本|所得税の過不足を精算する手続き
給与を受け取る際には、勤務先が毎月の給与から所得税をあらかじめ差し引きます。これを源泉徴収といい、毎月の段階では扶養家族の変更や生命保険料など、年の途中で変わる事情をすべて反映できません。そこで年末に、その年の給与額と各種控除をもとに所得税を再計算し、毎月差し引かれた税額との過不足を調整するのが年末調整です。
派遣社員の場合も、基本的には正社員と同様に年末調整が行われます。税金を納め過ぎていれば還付され、不足していれば追加で徴収されます。たとえば、扶養親族が増えた場合や生命保険料控除を申告する場合、年末調整で税負担が軽くなることがあります。原則として、給与所得者が必要書類を勤務先へ提出すれば、個人で所得税を計算して確定申告する手間を減らせます。
ただし、医療費控除や住宅ローン控除の初年度など、年末調整では扱えない控除もあります。また、複数の勤務先から給与を受け取る場合などは、年末調整を受けていても確定申告が必要になるケースがあります。派遣社員の方は特に、派遣会社を通じて必要な書類を適切に提出することが重要です。
派遣社員は「派遣会社」が年末調整を行うのが原則
派遣社員は派遣先企業で仕事をしますが、雇用契約を結んでいる相手は派遣会社です。給与の支払いや社会保険の手続き、有給休暇の管理と同様に、年末調整も原則として派遣元である派遣会社が行います。
年末調整は、原則として年末時点で雇用契約を結んでいる派遣会社(派遣元)が行います。年末時点で在籍し、「扶養控除等(異動)申告書」などの必要書類を期限内に提出している場合は、派遣先企業ではなく派遣会社が所得税の精算を行います。
なお、年末調整の対象となる条件や手続きは派遣会社によって異なる場合があります。ご自身が対象となるか不明な場合は、派遣会社へ早めにご確認ください。
年末までに派遣会社を退職している場合や、複数の派遣会社から給与を受け取っている場合は、派遣会社だけでは年間の所得税を精算できないことがあります。自分の働き方に応じて、年末調整の対象になるかを確認することが大切です。
【2026-2027年版】派遣社員が知っておくべき税制改正のポイント
税制は毎年見直されるため、前年と同じ書類や控除額がそのまま適用されるとは限りません。派遣社員も、年末調整の案内を受け取ったら、扶養状況や控除証明書に変更がないか確認しましょう。特に年末調整の際には、最新の情報を元に正確に手続きを進めることが重要です。
注目!定額減税が年末調整に与える影響
派遣社員にとっても年末調整は重要な手続きですが、定額減税があった時期には特にその処理が注目されました。定額減税は、所得税額から一定額を差し引くための時限的な措置で、派遣社員も対象となりましたが、令和8年分以降の年末調整ではこの処理は行われません。そのため、派遣社員の方も「今年も自動で減税される」と考えないことが重要です。
定額減税が実施されていた際には、派遣社員も含め、毎月の給与から差し引かれる所得税で順次減税し、年末調整で年間の所得や扶養親族の状況を踏まえて精算する形でした。
派遣社員の場合、月々の源泉徴収だけで控除しきれなかった場合も、年末調整時に残額を確認して処理する必要がありました。
制度の対象年や手続きは変わるため、派遣社員は派遣会社からの案内と国税庁の年末調整に関する情報を確認することが大切です。
その他、扶養控除などの変更点もチェック
年末調整において、税制上の扶養に関わる給与収入の目安は見直され、一般の扶養親族や配偶者控除の判定では、給与収入123万円以下がひとつの基準です。また、本人の所得税がかかり始める給与収入の目安も160万円へ引き上げられています。
ただし、「税金の扶養」と「社会保険の扶養」は別の制度です。派遣社員として働く場合、税制上の扶養に該当していても、勤務先の規模、週の所定労働時間、契約期間などによっては、健康保険・厚生年金への加入対象になることがあります。
扶養内で働く予定の方は、年収だけでなく、契約上の勤務時間や給与見込みもあわせて確認しましょう。年収の壁や社会保険の加入条件については、最新の情報をあわせて確認することをおすすめします。
【ケース別】派遣社員の年末調整|手続きが必要なのは誰?
働き方や勤務先の数によって、年末調整を受ける場所と確定申告の必要性は変わります。自分の状況に近いケースを確認し、必要な書類を早めにそろえておきましょう。
1社のみで年末まで勤務している場合
年内を通じて1社の派遣会社から給与を受け取り、年末時点でもその派遣会社に在籍している場合は、派遣会社で年末調整を受けるこができます。派遣先企業ではなく、雇用主である派遣会社が手続きを行います。
年末調整の対象となる条件や手続きは派遣会社によって異なる場合がありますのでご注意ください。
年末調整の対象者は派遣会社から届く案内に沿って、「扶養控除等(異動)申告書」や該当する控除証明書を期限までに提出すれば、原則として自分で確定申告をする必要はありません。生命保険料控除や扶養親族の情報に変更がある場合は、記入漏れがないよう確認してください。
年末調整後は、翌年の源泉徴収票を受け取ります。住宅ローン控除の初年度や医療費控除など、年末調整だけでは申請できない控除を利用する場合は、この源泉徴収票を使って確定申告を行います。
複数(2社以上)の派遣会社を掛け持ちしている場合
複数の派遣会社で働いている場合、「扶養控除等(異動)申告書」を提出できるのは1社だけです。一般的には、収入が最も多い派遣会社をメインの勤務先として選び、その会社へ提出します。メインの勤務先では甲欄が適用され、年末調整を受けられます。
一方、申告書を提出していない派遣会社では乙欄が適用され、給与から所得税が多めに差し引かれることがあります。その会社の給与は、メインの派遣会社が行う年末調整には含められません。
複数の勤務先から給与を受け、年末調整されなかった給与の収入金額が20万円を超える場合などは、原則として確定申告が必要です。各派遣会社から交付される源泉徴収票をすべてそろえ、給与を合算して申告します。
勤務先ごとの給与額だけでなく、どこに扶養控除等申告書を提出したかも重要です。掛け持ちを始める段階で、メインの派遣会社と申告書の提出先を決めておくと、年末の確認が進めやすくなります。
年の途中で退職し、年末は働いていない場合
年の途中で派遣会社を退職し、年末時点でどの会社にも勤務していない場合、その年の年末調整を受ける勤務先がありません。この場合は、原則として自分で確定申告を行い、所得税の精算をします。
退職時には、派遣会社から源泉徴収票を受け取ってください。退職後すぐに交付されない場合もあるため、送付時期や送付先住所を確認しておくと安心です。源泉徴収票には、その年に受け取った給与と源泉徴収された所得税額が記載されています。
確定申告では、源泉徴収票の内容に加え、生命保険料控除や社会保険料控除などの証明書を用意します。所得税を多く納めている場合は、申告によって還付を受けられることがあります。退職後に再就職しない期間があっても、源泉徴収票は大切に保管しましょう。
派遣の他にアルバイトや副業収入がある場合
派遣会社で年末調整を受けていても、他に収入がある場合は確定申告が必要になることがあります。副業が業務委託、フリーランス、ネット販売などで得た収入なら、売上ではなく必要経費を差し引いた「所得」で判断する点が重要です。
給与所得者は、副業による給与以外の所得が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。また、アルバイトなど別の勤務先から給与を受け取る場合は、年末調整されなかった給与の収入金額が20万円を超えるかどうかを確認します。
手続きとしては、まずメインの派遣会社で年末調整を完了させます。そのうえで、派遣会社の源泉徴収票、副業の売上や経費が分かる書類、アルバイト先の源泉徴収票などを用意し、確定申告で年間の所得をまとめます。
所得税の確定申告が不要となる場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。副業の種類や住んでいる自治体の案内を確認し、不明な点は税務署や自治体の窓口へ相談するとよいでしょう。
年の途中で派遣から正社員に転職した場合
年の途中で派遣会社を退職し、その後に正社員として転職した場合は、転職先の会社で年末調整を受けられるケースが一般的です。前の派遣会社から受け取った源泉徴収票を、現在の勤務先へ期限までに提出します。
転職先は、前職の給与と現在の給与を合算して年末調整を行います。前職分の源泉徴収票がないと、転職先ではその年の給与をまとめて精算できないため、確定申告が必要になる場合があります。
源泉徴収票は退職後に受け取る重要書類です。紛失した場合は、前の派遣会社へ再発行を依頼してください。転職先の年末調整書類を提出する際は、前職分の源泉徴収票を添え忘れないことが大切です。
派遣社員の年末調整|手続きの流れと必要書類
派遣社員の年末調整は、派遣会社から届く案内に沿って期限内に書類を提出することが基本です。書類の種類や証明書の有無で対応が変わるため、届いたら内容を早めに確認しましょう。
一般的な手続きの流れと時期(10月〜翌1月)
年末調整の対象者への案内は、派遣会社から10月〜11月頃に届くのが一般的です。Web上で入力する方式と、申告書を紙で提出する方式があるため、案内に記載された提出方法と締切を確認します。
扶養親族の状況や保険料の支払いがある場合は、必要事項を入力・記入し、控除証明書を添えて提出します。期限を過ぎると派遣会社で年末調整ができず、自分で確定申告をすることになる場合があるため注意が必要です。
提出内容をもとに所得税の過不足が計算され、還付がある場合は12月または翌年1月の給与に上乗せされます。不足がある場合は、同じ時期の給与から追加で差し引かれます。
年末調整後には、通常、翌年1月末までに源泉徴収票が交付されます。転職や確定申告で必要になる重要書類のため、電子交付の場合も含めて必ず保管してください。
必ず提出が必要な書類「扶養控除等(異動)申告書」
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、年末調整の基礎となる書類です。扶養親族がいない独身の方も、主たる勤務先で年末調整を受けるには原則として提出します。
この書類を提出した勤務先では、給与から引かれる所得税に「甲欄」が適用されます。複数の派遣会社で働く場合に提出できるのは1社だけであり、通常は給与収入が最も多い勤務先を選びます。
記入時は、本人の氏名・住所・生年月日、配偶者や扶養親族の情報などを確認します。結婚、出産、就職などで扶養状況が変わった場合は、年の途中でも内容を更新して派遣会社へ届け出ることが必要です。
マイナンバーの取り扱いは派遣会社によって案内方法が異なります。すでに登録済みの場合や、別の方法で提出を求められる場合もあるため、申告書に記載する前に案内を確認してください。
対象者のみ提出する書類(保険料控除申告書など)
扶養控除等申告書に加えて、該当する控除を受ける人は「保険料控除申告書」などを提出します。控除を申告しなければ税額に反映されないため、支払った保険料がある場合は見落とさないことが大切です。
◆生命保険料控除:生命保険、介護医療保険、個人年金保険の保険料
◆地震保険料控除:地震保険の保険料
◆社会保険料控除:自分で納付した国民年金保険料や国民健康保険料など
◆小規模企業共済等掛金控除:iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金など
生命保険料や地震保険料、国民年金保険料を控除する際は、保険会社や日本年金機構などが発行する控除証明書が必要です。電子データで受け取っている場合も、派遣会社が指定する提出方法に合わせて準備します。
住宅ローン控除は、初年度は確定申告が必要です。ただし、一定の要件を満たして2年目以降となる場合は、年末調整で手続きできることがあります。
年末調整で損しない!派遣社員が使える控除と注意点
控除を漏れなく申告できるかで、年末に精算される所得税額は変わります。派遣会社から届く案内と証明書を早めに確認し、年末調整で扱えるものと確定申告が必要なものを分けて準備しましょう。
年末調整で申請できる所得控除の種類
年末調整では、本人や家族の状況、支払った保険料などに応じて所得控除を申請できます。控除とは、所得税を計算する前に所得から一定額を差し引く仕組みです。該当する控除を申告すると、源泉徴収された所得税が還付される場合があります。派遣社員の方も、この年末調整を通じて適切に控除を申告することが重要です。
代表的なものには、生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除があります。社会保険料控除は、給与から天引きされた健康保険料や厚生年金保険料だけでなく、自分で支払った国民年金保険料や国民健康保険料も対象です。
iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除として扱われ、支払った掛金の全額が所得控除の対象になります。生命保険料、地震保険料、国民年金保険料、iDeCoの掛金を申告する際は、原則として控除証明書を提出します。紛失した場合は、発行元へ再発行を依頼しましょう。
確定申告が必要になる控除(医療費控除・ふるさと納税など)
年末調整で対応できない控除もあります。代表例は医療費控除、寄附金控除、住宅ローン控除の初年度です。これらを受けたい派遣社員は、年末調整を済ませていても、別途確定申告を行います。
医療費控除は、本人や生計を同じくする家族のために支払った医療費が一定額を超える場合に対象となります。治療目的の医療費だけでなく、通院に必要な交通費などが対象になることもありますが、美容目的の施術や健康増進を目的とした費用は対象外です。領収書や医療費通知をもとに、支払額を整理しておきましょう。
ふるさと納税は、寄附金控除として扱われます。寄附先が5自治体以内で、ワンストップ特例を適切に申請している給与所得者は、原則として確定申告をしなくても控除を受けられます。ただし、医療費控除などで確定申告をする場合や、ワンストップ特例を申請していない場合は、ふるさと納税分も含めて申告が必要です。
住宅ローン控除は、入居した最初の年に確定申告を行います。2年目以降は勤務先で年末調整できる場合がありますが、控除証明書や住宅借入金等特別控除申告書が必要です。対象要件や必要書類は状況によって異なるため、早めに確認してください。
提出忘れ・遅れはNG!申告漏れのリスク
派遣会社が指定する期限までに申告書や控除証明書を提出しないと、その年の年末調整に控除を反映できない場合があります。派遣会社の事務処理には締切があるため、書類がそろわないまま期限を過ぎると、年末調整の対象外となることがあります。
この場合でも、控除を受ける機会が完全になくなるわけではありません。源泉徴収票を受け取った後に、自分で確定申告をすれば還付を受けられる可能性があります。ただし、書類の収集や申告作業を自分で行う必要があり、手間が増えます。
控除の申告漏れは、納め過ぎた税金をそのままにしてしまう原因です。一方、複数の勤務先からの給与や副業所得など、申告すべき収入を漏らすと、追加の税金や加算税、延滞税が発生する場合があります。案内が届いたら後回しにせず、証明書の有無と提出期限を確認して手続きを進めましょう。
まとめ
派遣社員の年末調整は、原則として年末時点で勤務している派遣会社が行います。ただし、年末調整の対象となる条件や手続きは派遣会社によって異なる場合があります。ご自身が対象となるか不明な場合は、派遣会社へ早めにご確認ください。
また、掛け持ち・退職・副業などがある場合は、自分で確定申告が必要になることがあります。
まずは、年末に勤務している派遣会社で年末調整が対象者の場合は扶養控除等申告書などを期限までに提出し、前職分の源泉徴収票や控除証明書もそろえましょう。
年末調整の書類提出を怠ると、年末調整では控除を受けられませんが、自身で確定申告を行うことで控除を適用し、還付を受けることが可能です
複数の勤務先から給与を受けた場合や、年末調整で扱えない控除を申請する場合は、源泉徴収票をすべて保管して確定申告に備えることが大切です。自分の働き方に合わせて、必要な手続きを早めに確認しましょう。
年末調整の対象となるかどうかの最終判断は、派遣会社や税務署への確認が必要です。
不明な点やご不安な点がある場合は、早めに派遣会社へ相談し、手続きや必要書類について確認しておきましょう。
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